シャントPTA
血管内治療を当院では行っています
透析シャントは時に閉塞や狭窄をすることがあり、透析ができなくなったり時間が掛かるようになったりします。
これまではシャントを作り直したり、外科的に血栓を除去してきましたが、当院にて血管内治療を行なうことにより、一度作ったシャントを長期間使用することが可能になります。
また、大切なシャントを長期間使用するためには、閉塞や狭窄の早期発見と治療が有効で、シャントPTAが治療の第一の選択となります。シャントPTAは、短時間に治療ができるため、シャントの作り直しに比べ、身体面の負担が少ない手術です。
シャントPTAについて
Percutaneous Transluminal Angioplastyの略で経皮的血管形成術といいます。血流を確保するため、シャントの一部にシースという針を刺し、血管内にバルーンカテーテル(先に風船が付いている)を挿入し、閉塞、狭窄した箇所でバルーンを拡張させます。バルーンの圧力で内側から血管を広げる方法です。
手術の際は、X線透視下で位置を確認しながら行ないます。
処置の流れ
PTAのメリット
1. 簡便である
- 治療時間は30分から1時間程度である
- 日帰りが可能である
2. 効果的である
流量の確保ができる
3. 安全性が高い
手技時間が短く、治療直後からも透析が行えます。皮膚を切らずに治療できるために(針での穿刺程度)。身体への負担が少なくなります。
また、再狭窄した場合でも、同じ血管の利用を何度でも行えます。
PTAの問題点
- 一度狭窄したシャント静脈は、シャントPTAを実施しても再狭窄率が高くなっています。平均開存は4~5か月。
- 拡張できない症例があります。
- 石灰化の強い病変
- リコイル拡張してもすぐにへしゃげる)病変
- 血管損傷によるトラブルが生じる可能性があります。
- PTAで狭窄部位以外に損傷がおよぶので、狭窄範囲が広がる可能性があります。
こんなときはご連絡ください
高度狭窄の可能性があります
- スリルや拍動の減弱
- 脱血不良
- シャント音の聴取範囲の狭小化
- 高調性雑音の聴取
- クリアランスギャップの上昇
- 表在からのシャント血管の陥没
血栓の可能性があります
- 突然の血管痛や発赤
- 穿刺後の血管痛
- 上肢の腫張(前腕の腫脹、母指を注とした腫脹、手背全体の浮腫)
- 脱血不良(透析回路のピローの虚脱)
穿刺部より上に有意狭窄が考えられます
- 静脈圧上
- シャント肢の上肢腫脹